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俺は理性で下半身の暴れ馬を抑え込むイメージでなぜか息を止めた。
そして手早く彼女のトランクスを引きおろしたら。
紐パンツ登場。
「ぎゃっ」
布が小さい上に、紐が細い!!
想定してたものよりもずっと小さい!!
見てはいけないと思いながらも目が釘付けになった。
「おまえ!これを見せたかったのか?」
「あはははは」と高笑いしておおはしゃぎをする恵鈴をぎゃふんと言わせたくなる。
俺は怒って、紐パンツの両側の紐を一気に引き抜いた。
すると、当然重力にひっぱられてその小さな布はストンと下に…。
つるりとした彼女のそれをモロに見てしまった。
馬鹿なことをした。
大量の出血を小さな鼻栓ふたつで封じ込めてギリギリバスに乗車した。
買ったばかりの可愛い下着セットは俺の鼻血で汚れ、トイレの手洗い場で水浸しになったが、恵鈴はすごく機嫌がよかった。
俺はずっとむっつり決め込んで口を開かなかったのに、汽車に乗り込んでからも彼女は鼻歌をうたって夕暮れの空をいとおしそうに眺めた。
地元の駅に着いた頃、やっと鼻栓から解放されるとき。
油断していた俺は背伸びしてきた恵鈴に唇を奪われた。
触れるだけの微かなキスでも、さっきの今で心臓がまた破裂しそうになる。
呆れて声も出ない俺を見上げた彼女は幸せそうに微笑んだ。
「今日は楽しいデートありがとう。一センチでも前に進めたね、私達」
………お前は、男の俺よりも男みたいな女だよ。
殴られるのが怖くて、口から登りかけたそのセリフを飲み込んだ。
だけど、確かに。
こんなじゃれ合いでも、俺たちは怖がってばかりもいられない。
「ところで、どうしたんだ?あれは」
「あれって?」
駅から家まで15分程度しかない。
さっき見たあれにあるはずのものがなくて、そっちの方が衝撃強かったから。
俺は勇気を振り絞って聞いてみた。
「ヘアが…」
「生えてない」と即答だった。
………まじで、やばい。今夜の夢を見るのが怖い。
「次は燿馬の番だからね!」と頬を赤くして、走り出した後ろ姿に見惚れながら。
あいつ、俺のも見るつもり満々なんだ、と思ったらちょっと引いた。
End
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