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他愛無い日々 2
白いセーラー服を着た女の子が椅子に座って小首をかしげた。
彼女はわざとらしく裾を摘まみ上げて、「なんかここ、暑いね?」と問いかけてきた。
そうでもない、と思うのに返事を待たずして、何を思ったのかおもむろに裾を掴んだと思ったら一気に上にたくし上げた。
白いセーラー服には似つかわしくないレースたっぷりの水色と茶色のブラが、丸いお椀のような彼女の胸をしっかりとホールドしている。
「君、大胆だね」と男が言うと、彼女はまた小首を傾げて微笑んだ。
そして膝上まである長すぎるハイソックスの足をこっち側に投げ出して、スカートのホックに細い指を持っていくと、ストンとプリーツスカートが足元に落ちた。
予想通り、大事なところを包み隠している下着もブラと同じものだった。
いわゆる紐パンと呼ばれているテカテカした素材のショーツの細い紐を、今度はゆっくりともったいぶった手付きで引き抜こうとする。
挑発的な笑顔と、色めきだった甘い表情。
これが演技なのか本気なのか、俺にはわっかんねぇ…
「おい、こら!」
突如、背後から親父の声がして振り向くと、俺の部屋に勝手に入っておきながら仁王立ちして俺を見下ろしていた。
「げ!」と思わず叫びながら、俺はリモコンの電源ボタンを必死に押した。
すると背後から抱き着いてきたクソ親父が嬉しそうな声で「お前もとうとうAV見てひとりエッチに目覚めたか!」と野次られた。
「ば!!……ち………ちがうし!!」
「いいよ、いいよ。
言い訳なんかしたくたって。お前の息子もちゃんと起立してるじゃないか」
いつの間にか親父の手が俺の股間を触っていた。
咄嗟に両手で突っぱねても、一回り背の高い親父にのしかかれたら逃げられない。
「キモイ!!あっち行け!!……出てけよぉ!!」
「抜き方、教えてやろうか?」
「うっせぇぇ!!触るな!バカ!!」
「なにしてるの?」と、お袋が部屋に入ってきた。
「こいつがエロビデオ観て興奮してたから…」
スパン!!! と、乾いた音が響き渡った。
スリッパを振り下ろしたのは、お袋のすぐ隣にいる恵鈴だった。しかも、殴られたのは俺じゃない。
「……ってててててぇぇぇぇ!!」と、涙目で叫んだのはクソ親父。
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