他愛無い日々 12

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恍惚とした夏鈴の目から不思議の国へと吸い込まれたような、そんな見た事もない風景が広がる。 俺の手を握る小さな手。少女だったころの彼女が俺にキスをする。 「晴馬のお嫁さんになりたい」 先に言われて格好悪いったらないよな。 いつだってそう。お前が俺をリードしてきた。 だからセックスの時ぐらいは俺がリードしたい。 俺が与える愛撫ですべてのしがらみや悲しみからお前を解放したいんだ。 それは傲慢だろうか? こんな愛し方も許されるんだろうか? 教えてくれ、夏鈴。 お前の気持ちを聞かせてよ。 美少女夏鈴が裸で俺のされるがままにされながら、熱っぽい目で俺を見上げてくる。 あの頃何度も抑え込んだ欲望丸出しの夢を見ているのだろうか? 幼い女の子の体なのに自分勝手な俺の欲望をしっかりと咥え込んで、 びっしょりと濡らしたアソコがキュンキュンと締め付けてくる。 膨らむ前の胸のでも少しだけ尖っていて、 俺は獣のようにしゃぶりつくした。 「ああぁぁ!……晴馬のバカぁぁぁ」 突然の悲鳴に、目が覚めると。 大人の色気ムンムンの夏鈴が悩ましい顔付きで俺を睨んできた。 「夏鈴、愛してる」 咄嗟に囁くと、夏鈴はフルフルと首を振って潤んだ瞳で抗議する。 「ごめん。止まんない……、お前が好き過ぎてぶっこわれた、俺」 激しく腰を振ると、夏鈴がまた悲鳴をあげた。 どこかで意識がぶっ飛んだまま寝落ちしたらしく。 目を開けると夏鈴が俺の胸に頭を乗せて寝ていた。 窓を見ると空が白んでいる。 そっと起きて乱れたシーツのしわを伸ばすと濡れていた。 風邪をひかせたくないから、新しいシーツを出して夏鈴を包み、汚れたシーツを外して洗濯に行く。 洗濯機を回しながら風呂を洗い、新しい湯を溜めてから寝室に戻って、シーツにくるんだまま眠っている妻を抱いて風呂に入った。 「ごめんな。暴走した」 寝ている夏鈴に何度も謝った。 年取って俺のバカみたいな性欲は衰えると思ってたのに、時々自分でも信じられないぐらい激しく求めてしまう。こんな最低な自己中野郎を本気で好きになってくれたなんて、本当に俺の女神だよ、おまえは。 湯船の中で目覚めた夏鈴にキスをすると、うっとりと微笑んだ彼女は。 「…本当に晴馬はエッチなんだから」と言って笑ってくれた。 End
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