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「パパもいい加減、我が子にセクハラするのやめて!!」
地声で怒鳴り散らす恵鈴は狂犬のような鋭い目つきで親父を睨みつけた。
怪力で勝気で強情。
普段は天使みたいに可愛らしく微笑んでるくせに、
本気で怒ると親父よりもずっとヤバい…。
俺でもこんなに怒らせたことがないぞ。
親父はお袋に助けを求めるように涙目を向けた。
お袋は張り付いたような笑顔でとんでもない言葉を言い放った。
「晴馬ったら、見境いないんだから。
ようちゃんも恵鈴も、もうちっちゃい子じゃないのよ?
ジャレたかったら子供達じゃなくて、私の体で我慢して?
それに、ようちゃんも恵鈴もそんなにセクシーな下着が欲しいなら
ネットじゃなくて一緒に買いに行ったらいいじゃない。
こんなビデオで品定めなんてしてないで、
二人で仲良くお買い物デートしてらっしゃいよ。
コソコソするからパパが面白がるのよ?」
お袋の隣で振りかぶったスリッパを床に落とした恵鈴が、頬を赤らめた。
「……ママって、結構エグいよね?」
「俺、女の下着売り場なんてとてもじゃないけど…」
「俺は全然平気だけどな」
親父はなぜか胸を張った。
「ようちゃん。
アメリカでは男性が愛する彼女の下着を選ぶのは普通なのよ。がんばって!」
お袋って時々、変なところで背中を押してくる。
それにしても、うちの両親て………いろいろとヤバくない?
end
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