1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
ことだま
これはいわゆる洒落にならない怖い話です。
登場する教師はわたしが学生時代に本当に亡くなっています。
冗談でも人を苦しめるのはやめましょう。
ことだま
その夏は確かにいつもと違う、ちょっとしたおかしな事件が続いていた。
南条さんという不登校気味の女の子がいたのだが、どういう風の吹き回しか、夏休みの水泳教室にだけは毎日きちんと出席していた。
わたしと彼女は別クラスだが家が近い事もあって同じ登校班に所属している。
学級だよりや連絡帳は当番制で南条さんの家に届けていたのだが、わたしの番が回って来た時、彼女はこういったのだ。
「ねぇ、りー子ちゃん。わたし、夏休みのプール行こうかおもうねん」
「え?、直子ちゃん来てくれるの?? うれしいわぁ。みんな待ってるよ?」
その時のわたしは彼女の意外な反応に驚きと喜びを隠せなくて特ダネ情報を得た記者のごとく得意満面で吹聴して回った。
そして、ある女子からこういう不気味な話を聞いたのだ。
「あの子、死ぬかもしれない」
彼女曰く、南条家にはなぜか夏に子どもを亡くすと言う不思議なジンクスがあるという。
最初のコメントを投稿しよう!