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ところが、ジャッジちゃんは不思議そうに首をかしげ、
「あれ? あたしの判定だと、どこかで会ったかな?」
と困ったようすでつぶやいた。いつもなら的確な判定をくだす彼女が珍しく言い淀んだ。
ただ、それも一瞬であった。ジャッジちゃんは特に不満げなようすもなく、いつもの調子に戻った。
「まあいいや。あたしの名は、怪傑ジャッジちゃん! 色々なものを判定しちゃう魔法少女よ!」
どんな状況でも名乗りは忘れない。それがジャッジちゃん。Vサインを決め、ふふんと得意げな笑みを浮かべた。
「ジャッジちゃん、過去に会ったかどうかなんて些細なことだ。記憶が曖昧ならば、改めて教えて進ぜよう」
男はラジカセを置き、ズズッと鼻水をすすると、ウホンと咳払いをした。
「この世にトラブルあれど、謝罪なし。いか、ヘッ、ヘッ、怒りが残り、て、て、てくち! だれが呼んだか解決の使者。ラジ、ラジカセ、グワッション! ま、ま、ブシュン。ええい、クソ。めんどくさい。謝罪戦士ゴメンナー、ここにけ、ハックション!」
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