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ひどい鼻声とくしゃみ交じりで要領を得ないが、とにかく口上を終えたらしい男、もといゴメンナーはぶるぶると体を震わせ、盛大なくしゃみをぶっ放した。飛び散った唾がジャッジちゃんの顔面にへばりつく。
「あたしの判定だと、ゴメンナー、あなたは風邪ね!」
ジャッジちゃんはベトベトになった顔面を拭うと、したり顔でぴしゃりと言い切った。
「む。鋭い判定だ。よくわかったな」
別にジャッジちゃんでなくとも判定できそうなのに、いちいち感心するゴメンナーであった。
「こんな寒い日に、タイツ一枚でうろついているからよ」
もっともな正論を吐くジャッジちゃんだが、彼女も彼女で防寒具もつけず雪柄のワンピース一枚という服装だ。
雪がだんだんと激しくなる中、二人は建物の中に入りもせず、その場で話しつづける。
「それはできん。これは俺がゴメンナーである証だ。簡単に覆すことはできん」
「まあいいけど。それはそうと、マッチ買ってよ。もう今月のお小遣いほとんど使っちゃってピンチなんだ。このままだと、ギリギリアウトになっちゃう」
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