2人が本棚に入れています
本棚に追加
「それに関しては謝ろう。ありが、違った。ごめんなさい。……足りぬなら、もっと謝ってやる。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
もはや謝罪に対する侮辱でしかないが、ゴメンナーはなぜか恍惚気味に謝罪の言葉を繰り返す。だんだんと誠意の行方がわからなくなる。おまけに、ジャッジちゃんのスカートの中を覗くべく目線を必死に上方に持っていこうとしていた。
これでは、異常な大地への接吻である。
「なんだか喜んでない?」
「俺は素直に謝れない人たちに代わって謝る戦士。その戦士が今、自分のために謝っているのだから、これが喜ばずにいられるか」
意味不明な理屈を豪語し、ゴメンナーはジャッジちゃんの足を払いのけ、のそのそと立ちあがった。
「が、しかし、俺の使命はやはり素直に謝れない人々の代わりに謝ること。そして今夜、俺はその使命をはたさねばならない。ジャッジちゃん、きみと遊んでいる暇はないのだ」
ゴメンナーは白い息を吐きながら、駅前のほうへ歩を進めた。
「ハックション!!」
その背中に向け、ジャッジちゃんは豪快なくしゃみを送った。
最初のコメントを投稿しよう!