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『朧。
あとは任せた』
作戦通り、
自分の前に現れた穂積に朧はコーヒー缶をゴミ箱に捨てながら声を掛ける。
「天童穂積!」
いきなり見知らぬ男性から声を掛けられ、
その場に立ち止まってしまった。
不意に、
自分の名前を知っている男性と目が合ってしまう。
男の恰好は、
ダークブラックのスーツに白シャツに赤いネックタイ。
そして、
スーツと色を合わせたダークブラックの靴。
穂積は、
一応警戒しながら声を掛ける事にした。
「あの? どこかでお会いしましたっけ?」
「はい」
男は、
一言そう呟くと自分の腕を掴んで来た。
「いきなり何をする」
腕を振り払おうとするが、
払うことが出来ない。
それどころかどんどん力が強くなる。
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