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しかし、
零は、
表の人間に自分の正体がバレるわけにはいかない。
だから、
社長以外に番号もアドレスも教えていない。
どこから情報が洩れるかわからない。
パートナーである蜩朧にも教えていない。
協力者である音風幸也にすら裏の電話番号ではなく表の一夜零の番号を教えている。
もし、
彼が携帯を落とした時などに自分との関係性を疑われないため。
取り出した携帯を見つめながら、
心の中で呟く。
(本当は、
表の人間を協力者にしてはいけない。
本当は、
秘密がバレた時点で殺さなければならない。
だけど、
俺は、
幸也を殺せなかった。
けど、
そんな理屈は、
あの人には通用しない。
それどころか、
あの人は、
躊躇わずに、
俺の秘密を知ったあいつを跡形もなく消し去る。
それだけは、
阻止しないと)
心の中で決意を決めた零は、
携帯を広げ翔吾の前に出す。
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