春の雪

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 ほどなく、ベンチの上に雪だるまが二つ並んだ。  右にいるのが彼が作った雪だるま。  左右の目の大きさが違うのが面白い。  枯れ枝で作った口がニヤリと笑っているように見えた。  左の雪だるまは私が作ったもの。  目には丸い石を選んだ。  口は赤い色をした落ち葉を。 「よし! 完成だな」  満足そうな彼。 「でも、なんでこんなに離れてんだよ」  二つの雪だるまの間にある微妙な距離に、彼が苦笑した。 「どうせだからくっつけよう」  彼はそう言って、二つの雪だるまを抱きかかえるようにして真ん中に寄せた。  二つの雪だるまがピタリと仲良く寄り添う。    まるで恋人同士のように。  思わず胸元をギュッと握りしめた。
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