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『……朧……くん……いままで……ありがとう』
(五条龍也。
俺は、
お前を絶対見つけ出す。
そして、
必ずこの手で……)
☆
瑞穂こと春村瑞穂と最初に出会ったのは、
五年前の高校の入学式だった。
俺は、
地元の高校には、
進学せず誰も知り合いがいない県外の高校に進学した。
理由は、
ある事件のせいで、
地元の友人と溝ができたから。
だから、
親には本当の理由を告げずに、
県外の高校に進学したい、
バイトして自分で生活費を稼ぐから、
一人暮らしをさせて欲しいとダメ元お願いした。
すると、
両親は、
すぐ了承してくれた。
今、
考えると両親は、
気づいていたんだと思う。
どうして、
県外の高校に自分が進学したかったのかを。
★
瑞穂と出会った入学式当日、
俺は式が始まる一時間前に高校についてしまった。
理由は、
借りたアパートが、
高校まで徒歩で三十分以上かかってしまうから。
本当は、
もう少し、
近い所を借りるつもりだったのだが、
予算の都合で借りることができなかった。
だから、
遅れるといけないから、
早めにアパートを出たら一時間前に到着してしまった。
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