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___。
目が覚めると、いつも通りの天井が広がっていた。
まただ。また、同じ夢。1か月?いや、もっと前から____
そっか。丁度、私が中学生になった、あの日から…か。思い出せば、1年前からだった。
私の夢に、「彼」が出てくるようになったのは。
夢の中の私は、ある村で暮らしていた。目立たないけれど、凄く楽しい村。その村で私は、彼に育てられた。夢なのに、あの大きくて暖かい、優しい手。その手が、私を撫でてくれたその感覚は、今も残っている。
「 ふふっ……… 」
思わず、口から笑みが零れた。夢の中の彼に恋心を抱く私は、なんて愚かなんだろうか。いつかきっと。__後悔するというのに。
「 あっ。そろそろ、学校行かなきゃ… 」
ふと時計へ目を向けると、時刻は7時半を指していた。私の家から学校への距離は、片道30分程度。今から準備するとなると、急いだほうがいいだろう。
急いで制服へ手を滑らせて、紺色のセーラー服を身に着けた。
肩までの髪にしてよかった。
___結ばなくていいから。
そう言えば、夢の中の私もこの位だったっけ。
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