2/2
前へ
/4ページ
次へ
___。 目が覚めると、いつも通りの天井が広がっていた。 まただ。また、同じ夢。1か月?いや、もっと前から____ そっか。丁度、私が中学生になった、あの日から…か。思い出せば、1年前からだった。 私の夢に、「彼」が出てくるようになったのは。 夢の中の私は、ある村で暮らしていた。目立たないけれど、凄く楽しい村。その村で私は、彼に育てられた。夢なのに、あの大きくて暖かい、優しい手。その手が、私を撫でてくれたその感覚は、今も残っている。 「 ふふっ……… 」 思わず、口から笑みが零れた。夢の中の彼に恋心を抱く私は、なんて愚かなんだろうか。いつかきっと。__後悔するというのに。 「 あっ。そろそろ、学校行かなきゃ… 」 ふと時計へ目を向けると、時刻は7時半を指していた。私の家から学校への距離は、片道30分程度。今から準備するとなると、急いだほうがいいだろう。 急いで制服へ手を滑らせて、紺色のセーラー服を身に着けた。 肩までの髪にしてよかった。 ___結ばなくていいから。 そう言えば、夢の中の私もこの位だったっけ。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加