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「通報するかあ」
カタ…
「あ?」
澪が鞄からスマホを取り出そうとした時、ポリバケツが揺れた。
カタ…カタ…カタカタカタ
やはり揺れている。
死体のつまったバケツが揺れている。
え?生きてた?いやいやいやそんなわけないじゃん!首と胴体がさよならしてるのに。
バラバラだよ?絶対死んでるよ。
じゃあ、なんで動くわけ?
幽霊?おばけ?
澪の頭の中をいろんな思考がぐるぐる回る。
ガタガタガタン?ガタン!
揺れは一層激しくなる。
ああ!バケツが倒れそう!やめてあんなもんぶちまけられたら掃除が大変!
澪がバケツを支えようと手を伸ばした時、急にバケツが止まった。
「よかった~」
ふぅと安堵する澪だったがまた口元が緩んできた。
「ふふふふ」
思わず笑いが漏れる。
バラバラ死体、動くバケツ。
「面白いじゃない」
にやにやが止まらない。
ポリバケツの蓋に手を伸ばし蓋を外す。
そして再び覗き込んだ。
中身はー
中には若い男が入っていた。
目を閉じているので生きているか死んでいるのかはわからないが少なくともバラバラではなかった。
見る限り若い男の体はどこも損傷していない。
流石の澪もこれは予想外だった。
復元されたバラバラ死体。
そしてそれは目を開けた。
「ここは…?貴女は誰ですか?」
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