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「 ねぇ!あんたも一人? 」
軽やかな鈴の音の様な、笑い声。健康そうに焼けている、小麦色の肌。
さらさらの栗色ショートカット。
「 あ…う、うん。あなたも? 」
少し戸惑いながらそう言うと、目の前の少女は目を細めて笑った。
「 御覧の通り。いや~お母さんが付いて来るの、止めなきゃ良かったなぁ 」
「 私もっ! 」
思わず同意した私を、少女は驚いた風に目を丸めた。なんとなく、この子とは気が合いそうだと感じた。
「 乗り良いじゃん!あんた、名前は?私は、梨花って言うんだ 」
「 梨花ちゃんかぁ。私は、木下茉莉だよ 」
「 ふ~ん…じゃ、茉莉よろしく! 」
一瞬の間がなにを指しているのか。この時の私は、気付いていなかった。
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