3人が本棚に入れています
本棚に追加
XXXX年__この星は、AI___通称「自律型含神経アンドロイド」で溢れ返った。このAIは、人間そっくりに精工されていて、生身の人間との区別は極めて困難だった。
AIの殆どが、本来人間の仕事である、家事、就職、政治を受け持つことになる。
そのせいか、人間の能力が極力低下した。
『 アリシア。起きる時間だよ 』
久しぶりに聞いたエリの温かく、何処か無機質な声が頭上から降り注いだ。名前が中性的ではあるものの、れきっとした男「型」だ。吸い込まれそうになる程、深く透き通った藍色の瞳は作られた物。
だから、その瞳が感情を示すことなんて__あり得ない。
けれど。どうしても。
エリのその声や顔に、好意を、期待を覚えてしまう。
それはきっと。
エリが私を認めてくれたからだ。
最初のコメントを投稿しよう!