認めてほしい

2/4
前へ
/9ページ
次へ
アリシアは、小さい頃から孤独だった。 僅か8歳で両親は他界。預けられた親戚からは、不必要、邪魔だ。そんな言葉を掛けられ続け、誰かに認めて貰いたいと感じた。 学校へ行っても所詮は他人事。誰もアリシアを気遣わなかった。 そのせいか、酷く暗い少女へとなり替わってしまったのだ。 __丁度そんな時。 政府は、あるAIを世に送り出した。 住民達は最初、見て疑った。自分と変わらない容貌だったからだろう。 きめ細かな肌に、何処か無機質ではあるものの、確かに輝く瞳。艶のある髪の毛は、人間そのものだった。美しく儚いそのAIは、けれど確かに人間とは違った。 それでも、AIはすぐさま受け入れられた。 少子化が進んで、子供が欲しくても出来ない親が急増し、テロや元からの病でアリシアの様に両親を失う孤児も増えたからだ。 その内の一体___男型のAIナンバーB3684号がアリシアの元へ送られた。 アリシアは親しみを込めて、「エリ」と呼ぶことに決めたのだった。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加