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彼女は右手の中指と薬指を開いて俺を見た、やっぱり……宇宙人みたいな目がある。
でも俺は口元だけの爽やかスマイルになるよう、堪えた。
「近藤さんが顔を見られたくないのは、そのメガネの所為なんですね?」
彼女は再び指を閉じて天井を仰ぎ見た。
「大丈夫ですよ、可愛いですよ、なんでそんなに恥ずかしいんですか?」
「可愛くなんかないです! これで散々いじめられました!」
天井を見上げたまま怒鳴る。
「いじめ?」
「生まれつきの極度の遠視です! 物心ついた時からメガネでした! 幼稚園の頃はこれを指摘する子はいませんでしたけど! 小学校に上がった頃から笑われるようになって! 子供って残酷ですよね! 一人が言い出すとみんなでグルになって! 一時はコンタクトにもしたんですけど! メガネザルがオシャレしてるって笑われて!」
「近藤さん。」
「高校に上がれば変わるかと思ったけどダメでした! 何しても変わらないならもういいやと引きこもりました! 人と関わってこなかったので、人付き合いは苦手です! それでもいつまでも親元にはいられないし迷惑かけたくないし! 家は出たはいいけど、本当に私は世間知らずで! 生きて行くのも大変で!」
「だから。」
俺は冷静に声をかけた、近藤さんはようやく口を閉じた。
「自分を変えたいと思うから、ルームメイトの募集をしてたんじゃないんですか?」
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