24人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「何でもかんでも可愛いって! あなたはゴキブリでも可愛いって言うんでしょう!?」
「それはさすがにないな。本当に近藤さんが可愛いからです。」
確かにそいつも同居してるだろうけど、害虫と一緒にしないでよ。
「ねえ、ひろみさん。」
俺はわざと名前で呼んだ、ひろみさんはびくりと怯える。
カウンターに頬杖をついて視線を合わせた、ひろみさんは泣き出しそうな大きな目で俺を見つめる。
まだ濡れてる髪も、そそるよなあ。
「これからも、よろしくお願いしますね?」
彼女は返事をくれなかった、真っ赤な顔でそっぽを向いてしまう。
それでも食器棚から二つのお皿を引っ張り出した。
諦めたのかな?
もう、見せてくれるのは手だけと言うことはないだろうな。
まずは部屋から出て、目を見て喋れる訓練をしましようね。
そして少しずつあなたの傷付いた心を癒して、いつか二人で太陽の元、買い物にでも行きたいです。
終
最初のコメントを投稿しよう!