【不気味な同居人】

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きっかけは、俺の就職。地方から東京に出るのに、住まいが必要だった。 ネットで調べていたら、ルームメイトの募集を見つけた。 場所は俺の会社の五つ隣の駅。10階建てだと言う立派なマンション、男女不問、年齢不問の有難い募集だった。 これ幸いとばかりにメッセージを送る。 思えば返信のメッセージから奇妙だった。 『応募ありがとうございます。 いくつか質問やお願いしてもいいですか? お仕事は昼間のお仕事ですか? 職種はなんでもいいです、規則正しいお仕事ですか? 家事の分担をお願いしたいのですが、いいですか? 夜ご飯は作ります、朝ご飯をお願いしたいです。 それとお部屋の掃除も。 私の自分の部屋はやるので、リビングなど共用部分お願いしたいです。 お風呂は私が洗います。 それと、私は対人恐怖症です。外出も怖いのでずっと部屋にいます。なので買い物もお願いしたいです。 そして私の部屋には決して入らないで下さい、私の顔を見ないでください。 それらを受け入れて下さるなら、ルームシェアお願いします。』 ──はあ。 まあ赤の他人と住むなら、様々約束事はあるだろう。 同居人の顔も判らないのは困るが、相場の半額以下の家賃に、水道光熱費も含むと言う謳い文句に惹かれて、俺はルームシェアを頼む。 ひとつだけ、確認事項があった。     
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