【不気味な同居人】

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そして昼間のうちに夕飯の準備をしていてくれるらしい。それを夜、俺は有難くも一人淋しく頂き、彼女が綺麗にしてくれた風呂でシャワーを浴びて寝る。 いつもの毎日、淡々と過ぎる毎日だ。 休日などはお互い予定を擦り合わせる、基本的には俺の予定を公開するだけだ、外出しない日は自分の部屋に閉じこもりになる、この家はリビングにテレビはない。 彼女もトイレに行ったり水は飲んだりするから、リビングでは寛ぐなと言う事だろう。 家主が手しか見えない不気味さはあっても、やはり中々の好待遇に、俺は恐ろしいことに馴染んでいた。 (でも挨拶の時くらい、顔を見せてくれても良かったのになあ。) それは初対面の時の話だ。 その時すら、彼女は自室のドア越しだった。俺は本当にひと目すら彼女を見ていない。 初めは、見たら「うわ!」と言ってしまうほどの醜女なのかと思っていた、でも段々と想像は美少女に変わっていく。アニメキャラだったり、アイドルだったり。 な?アイドルだったら顔見せNG、有りうるだろう?テレビでわーきゃー言われてるのに、実は新卒の男と同棲してるなんてスキャンダルじゃん。 なーんて、しょうもない妄想をしつつも。人はこんなにも隠れていられるのだと、むしろ感心もしている。 * そして。 その日はたまたま、外出先からの直帰だった。 入社から一年経って、ようやく外回りを一人でやらせてもらえるようになってそんな事もできるようになった。 買い物を済ませても、いつもより小一時間ほど早い帰宅になった。 いつものように、集合ポストで郵便物を確認。 同居人に密林からの荷物が入っていた、俺にはDMが二通……。     
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