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靴を蹴るように脱いで中へ入ると、大股で廊下を抜けリビングを抜け自室に飛び込んだ、リビングは煮物のいい匂いがした。
あーやばい。
俺はドアに寄りかかり、股間を押さえてしまう。
醜女とか思ってごめんなさい、でもなんであんなに可愛いのに引きこもりなんて。
聞いてねえよ、あんないい女だったなんて。
ラッキー、と思うと同時に、これから先、俺は平穏無事に生活できるか不安になった。
出て行ったルームメイトも彼女の正体を知ったからではないかと思えた。
不気味だと思ってたあの手の持ち主が、あんな美人ってないぜ?
あーマジで。
とんでもない同居人だぜ……!
そんな気配もさせずに一年間も。
そんな事も知らずに一年間同居してた俺は、とんでもない唐変木だ。
現れた手を掴んで、ぐいと引っ張り出してしまえばよかった……いやいや、彼女は姿を見て見せたくなかったんだから、そんな事したらダメだ。きっと欲望に任せてそんな事していたら、今頃彼女はツルの恩返しの如く居なくなってしまっただろう。
落ち着け、落ち着け。
顔を知られたくなかった彼女の顔を見てしまった、と言う事は俺は追い出される可能性が高いぞ。
それは回避したい、なんせまだ引っ越し資金など貯まっていない、うん、それを言い訳にまだ居させてもらおう。
その間に懐柔だ、あんな美人と暮らせるなんて役得だぞ。
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