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だから、テツヤ オオカワで「てーおー」、家守は「ヤモリ スミカ」だから「すーやー」で、森林は「モリバヤシ コズエ」だから「こーもー」がお前らのイニシャルなんだ。」
大川君は、どや顔でイニシャルの話をした。そして、その話は瞬く間にクラス中に広まった。
「??????ちょっ、ちょっといいか?草村。 」
草村の話を止めたのは風見だった。と同時に話を聞いていた全員が顔を見あわせた。
「なんだ風見、これからが話のオチなのに。」
「いやいやいや、その話のオチはここにいる全員がわかってると思うぞ。その大川君は、もしかしてバカなのか?お姉さんにウソを教えられたんじゃないか?」
「そんなことはないぞ風見、大川君は真面目で素直な子だったらしいぞ。
大川君のお姉さんも真面目だったらしいからな。
ただ、偶然のイタズラというか、岡山県ならではの偶然というか、いろんな要素が重なって、大川君の悲劇は起きたんだ。」
「大川君の悲劇?」
「いろんな要素?」
憂樹と清美が、首を傾げながら草村に尋ねた。
「大川君のお姉さんは、ちゃんとした発音を教えたんだ。「T(ティー)、O(オー)」ってな。
「それがなんで「てーおー」になっちゃったの?」
今まで静かに話を聞いていた、香が口を開いた。
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