第2話〔ヒーローと岡山弁〕

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「あ~あれか。あれは岡山県でもごくごく一部らしいんだ、ほとんど使われてないらしい。まあ、よくあるメディア操作だな。」 「どうして、そんな事がわかるの?」 清美が不思議そうに聞いた。 「前に私の母親と緑先輩の母親が同級生というのは話したよな。」 「ああ、それに同郷なんだろ?」 風見が思い出したように言った。 「そうなんだ、その母親の実家が、その岡山県の児島なんだ、もちろん緑先輩の母親もな。私の母親が言うには、小さい頃から一度も「もんげー」という方言は聞いたことないんだと。緑先輩の母親も同じ事を言ってたらしい。」 「それとTTTと、どう関係があるの?」 友生が聞いた。 「あ、悪い悪い、話が少しそれた。まず〔てーてーてー〕の意味から教えようか。初めて聞いたのは私が幼稚園の頃かな、母親の実家に行ったとき、祖父と祖母がこんな会話をしていたんだ。 祖父が「ここのでーこん、てーてーてー」と言うと、祖母が「もう、てーとるがー 」って言ってたんだ。 「まったくわからね~。」 風見が笑いながら言った。 「まあ、訳すとだな、「そこにある大根を炊いていてください。」 「もう炊いてますよ。 」って意味になるんだ。 「へ~、面白いわね、ほとんど「てー」だけで会話してる。」 清美が感心しながら言った。     
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