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 ***  湿度(しつど)も気温も申し分ない。ここはすでに飽和状態(ほうわじょうたい)で、今もつぎつぎと、仲間たちが落ちていく。  昨夜はやけに外周(がいしゅう)(さわ)がしかった。どうやら、落ちる順番でもめたらしい。 「ばかばかしい。先に落ちても後から落ちても、どうせ春になったらみんな消滅するというのに」  そうつぶやいてダイブした。下界(げかい)には、いちめん真っ白につつまれた街が広がっていた。  いずれ自分も消滅する――――落ちゆく時は、そう思っていた。 image=509312261.jpg
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