アフターストーリー(その後)

12/115
4901人が本棚に入れています
本棚に追加
/393
「今日はこれから出かけるから帰れ。というかそもそもここへは来るな」  やはり容赦ない毅然とした態度で実妹を追い返している。というか、ここまできつく当たられても懲りない妹というのも実は相当の鋼の精神ではないかと思う。長年の慣れで平気なのだろうか。  インターホンの映像にはやはり先日目撃したあの美女の姿があった。特にダメージも受けていないようで、不満の声を上げている。 『ひどーい。ちゃんと事前に電話したのに出なかったのはそっちでしょー?』 「知るか。休日の朝から襲撃をかけるほうが非常識だ」 『だって急なことだったから仕方ないじゃない』 「急って何だ。また葬式か」 『違うわよ。お父さんが今帰ってきてるの』  と、嬉しそうにはしゃぐ声がこちらまで届いた。  お父さん。というと、例のあの愛想のいい中高年美男の。八奈見によく似た、あの? 「何で帰国してるんだ」 『仕事みたい。滅多にないからもう嬉しくってー』 「勝手にそっちだけでファザコン愛を深めてればいいだろ。俺は巻き込むな」 『もう遅いわよ。お父さん今ここに来てるの。短時間でいいから中に入れてよ』  え。  そこで流石に夏芽だけでなく八奈見も固まった。
/393

最初のコメントを投稿しよう!