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彼女から額を離し、仮眠用の毛布を取り出して、彼女を横にさせて毛布を掛ける。
毛布の上から彼女の腹をポンポンと叩き、にっこりと微笑みかけると、ちょっと下の方からシャーと言う音が聞こえて来た。
「腹の調子が悪かったのか、気が付かなくてすまない」
部屋に漂うアンモニア臭、涙目で固まる彼女、ソファからこぼれる黄色い液体。
俺は掃除道具を引っ張り出してそれを奇麗に掃除して、彼女の服と下着も取り換えた。
「気にするな、具合の悪い時には仕方のない事だ」
「も、もうおやめ下さい!こんなに優しくされては、私は・・・」
「そうか、今まで辛かったんだな。よしよし、もう大丈夫だからな」
彼女の頭を抱いてポンポンと優しく撫でてやった。
翌朝から彼女の態度がおかしかった。
顔を合わせる度に真っ赤になり、挨拶をして足早に去って行く。
暗殺者の襲撃も無くなった。
彼女がすべて処理してくれているらしく、ぐっすりと眠れるようになった。
ただ、嫁達との行為を羨ましげに見られているのはちょっといただけない。
「完全におとしたな」
「暗殺者までぇ手篭めにするなんてぇさすがよねぇ」
「タカヤさんだからって言葉で片付いてしまうのが怖いですよね」
「どうする?引き込んじゃう?」
「それは流石にタカヤの体が持たないだろう」
「んー、まぁ、タカヤさんのぉ好きにさせてあげればぁ良いんじゃないかしらぁ」
フィルの言葉に全員が頷く。
「お前らさ、そう言う話は俺の居ない所でするべきじゃないか?」
「そう言われてもな」
「腰が抜けて動けないのよ」
「かくかくぅしますぅ」
「そう思うならタカヤさんが出て行ってくれればいいんじゃないですか?」
「俺も動けん、せめて明日の昼間とかにすればいいだろ、なにもここじゃなくてもさ」
「皆忙しくてこう言う時でも無いと揃わないのよ」
夜の営みを集会みたいに言うなよ・・・。
「あ奴の件はお前に一任する事になった」
「知ってるよ!思いっきり俺を挟んで会話してるだろうが!」
翌日、出頭を命じられた彼女はガチガチに固まってやってきた。
服はきっちりとただされており、しわの一つもなく、髪の毛は艶やかでサラサラで見るからに手触りがよさそうだった。
「お、お呼びでしょうか?」
外行きの声とでも言うのだろうか、母親とかが電話に出る時のいつもの声と違う声。
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