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気が付いた時には腹が膨れていた。
「お、おま・・・」
「王位継承権は要りません。どうか子供だけは・・・」
そう言って床に額をこすりつけるシエルを、誰が叱責出来ようか?
「まぁ、良いんじゃない?」
軽くエルマがそう言って、周りがうんうんと頷く。
「ありがとうございます」
シエルが嬉しそうに、再度床に額をこすりつける。
「これで四天王ですね」
「今までも四人いただろう?」
「エルマさんはクイーンですから、含まれません」
あ、エルマがクイーン何だ・・・。
でもそれだと、ティアは何になるんだ?
「夜の戦場でぇ、勇者タカヤ様にぃ、ばったばったとぉ、倒されるんですねぇ」
「連戦に次ぐ連戦、最終的には強敵エルマ様を討伐してその頂点に立つんです!」
「アリーって意外と冒険譚好きよね」
「タカヤ、頑張るんだぞ?」
うん、めっちゃきつそう・・・。
「奥様方それではタカヤ様のお身体が・・・」
「くっ・・・これは本気でやらないと、やられる可能性があるな・・・」
俺の言葉に、5人が息を飲んだ。
「お前ら覚悟しておけよ?」
翌朝、気を失った嫁達とシエルがベッドに転がっていた。
「勝った・・・」
一人、勝利の余韻に浸りながらシエルの腹を優しく撫でた。
周りは本当に死屍累々、アリーとティア何か半分落っこちている。
その日の仕事は全面中止、嫁達が全員立てなかった。
目を覚ました彼女達の世話をする為に俺は部屋に居た。
「これは新たに魔王が必要だわ・・・」
「ここまでぇコテンパンにされるとぉ、逆にぃ清々しいわねぇ」
「何であんなに激しく動いて置きながら、タカヤさんは動けるんですか?」
「くっ・・・初めてお前の相手をした時を思い出したぞ」
「し、四天王、闇のシエル・・・まだイケます」
「やめておけ、腹の子に差し支えたらどうするつもりだ」
プルプルと腕の力で起き上がろうとするシエルを横たえて頭を撫でる。
「くくく、闇のシエル、やつはしてんのうでもさいじゃああああーーー!!には笑ったわね」
エルマがクスクスと笑った。
「あー、あれな、俺も少し笑いそうだったわ」
「酷いですよ、不意打ちなんて・・・」
でも最弱の次にやられるのはその台詞を吐いたやつだろう?
「私個人的にはエルマのよくぞここまで辿り着いた、勇ぴぃ!にも笑わせてもらったが」
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