おーさまになってエルフを導こう

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エルマはこの部屋に残って俺の世話をしてくれている。 「縛った所、いたかったりしない?」 「心配なら解いてくれても良いんだぞ?」 「それはダメよ、全員が一回はおむつ交換しなきゃ」 成人男性のおむつを交換とか、誰もしたくないと思うんだけど・・・。 「まぁ、別に痛みは無いぞ。不自由では有るけどな」 そして数分後、涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにした二人が部屋に飛び込んで来て、二人で俺を抱きしめた。 「タカヤさん・・・」 「お前と言う奴はぁ・・・」 おーおー、そこまで感動してくれるとは、旦那冥利に尽きるねぇ。 「すまんな、手が不自由で涙を拭いてやる事すらできない」 「良いんです、そんな事しなくて良いですから・・・」 「ああ、お前は精一杯楽しんで生きてくれ・・・」 エルマは自分の手紙を見て、ごくりと唾を飲み込んだ。 「二人とも、タカヤを頼むわ」 二人が返事をしてエルマが部屋を出て行った。 そして数分後に同じく顔をぐちゃぐちゃにしたエルマが飛び込んで来た。 「なによぉ!なんなのよぉ!」 知らんがな。 「私も愛してるわよぉ!」 「知っているよ、ありがとな」 そして仕事を終えて手紙を読んだフィルが駆け込んでくる。 「たかやさぁん!」 ふえーと泣きながら抱きついてくるフィル。 胸の感触がとても気持ちいいです、ありがとうございます。 「これからもぉ、精一杯尽くしますからぁ・・・」 「俺も、皆を精一杯幸せにするからな。だから頼むからそろそろどいてくれないか?」 胸で顔を圧迫されているので窒息寸前だったりする。 因みにこの手紙はシエルの分も作ってある。 作ってあるのだが、子供が母親にあてた手紙の様になってしまって、ちょっと恥ずかしくなり、隠し金庫の中に入れてある。 この世界では、紙を焼いた程度では復元されかねない。魔法って怖いよな・・・。 「「「「タカヤ(さん)愛してます!」」」」 「解ったから!そろそろ顔を開放してくれ!窒息する!」 翌朝、嫁達がそろって俺の世話を焼き、子供達はそれを見てキャッキャとはしゃぎ、賑やかな朝食になってしまった。 そんな賑やかな朝の風景を見守りながら、俺はとある計画を実行しようと考えているのだった。
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