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金貨99枚を財布と言う名の腰袋から出して、10枚ずつ卓の上に並べながら、ディーラーに尋ねた。
「コール、客様を全裸で帰す訳にもいきませんし、所持金迄にいたしましょう」
親が手札を公開する。ロイヤルフラッシュ。ポーカーでの一般的な役としては最強の役で、ロイヤルストレートフラッシュ等とも呼ばれている。
ハートの10.J.Q.K.Aのカードが並ぶ。
「残念、私の勝ちで御座いますね」
そちらこそ残念である。
「すまんな、俺もロイヤルストレートフラッシュだ」
対してこちらはスペードで同じカードを並べた。
同じ役の場合、カード自体の強さで勝負が決まる。
カードの強さの順番はスペード、ハート、ダイヤ、クローバーの順番である。
所持金が75倍になった。
つまりは7500万ジースを持っている事になる。
100万ジースコインが75枚、俺の前に並んだ。
「俺は先に言ったぞ?連れ込んだのはお前だからな?」
呼び込みにそう言って次の勝負を持ちかける。
ディーラーは青い顔で、勝負に乗ってきた。
ここで引き下がる訳には、行かないのだろう。
手札を一瞬だけ見て卓に伏せる。
「全額ベッド」
周囲の客が、ぎょっとした顔で俺を見た。
「ぜ、全額ですか?」
「そうだ、全額だ、7500万ジース、ベッド」
「よろしいのですね?」
「良いよ、どうせあぶくぜにだし、失って痛いのは、俺の懐に有った100万ジースだけだからな」
宿に戻ればまだ400万位有るし。嫁の金だけど。
遊ぶ金として持って来たものだ、無くなったら宿に戻れば良い。
「コール・・・オープン」
ディーラーの手札はダイヤのロイヤルストレートフラッシュ。
完全にイカサマの手札だった。
対する俺は、9のファイブカード。
このゲームがワイルドポーカーだったのを今し方理解したところだ。
「悪いな、倍率100倍だ。75億ジース、用意して貰おうか」
こうして数分でカジノが一軒潰れた。
いかさまを疑われたが、パンツ一丁でもう一度対戦し打倒する事でいかさま疑惑は解消し、むしろカードを配っていたディーラーのイカサマがばれてしまった次第だ。
因みにその勝負で7500億ジースまで膨れ上がったが、払えないと言うので用意できるだけの金を用意して貰った。
「いやー、儲けさせて貰ったよ。ありがとな」
「あ、ありがとうございました・・・」
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