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「人族の国じゃ本当にデブじゃないのね」
「私が憐みの視線を向けられたのだが・・・」
ティアは小さいしな。
「そう言う需要も有るから大丈夫だぞ」
「全然嬉しくないのは、何故だろうな・・・」
夜、今日は嫁達と一緒に外でご飯を食べた。
その帰り道、変質者が現れた。ローブの前をはだければ中身は全裸と言う奴だ。
エルマは何を勘違いしたのか、俺の眼を隠した。
「エルマ、あれは男だぞ?」
「え?嘘?ついてないじゃない」
「小さくて解らないだけだ、タカヤと比べてやるな、可哀想だぞ」
「こんな小さい人もいるんですね!」
「比べるぅ対象がぁ、タカヤさんしかぁ居ないですけどねぇ」
女性陣4人の言葉に変質者は崩れ落ちた。
「何かすまん、これで美味い物でも食って元気出してくれ」
男の前に金貨を1枚放って横を通り過ぎた。
「あれじゃ子供が出来ないんじゃない?」
「きっと奥の浅い女も存在しているのだろう」
「やめてさしあげろぉ!」
女性人達は好き勝手言いながら、宿屋に帰ってきた。
「さて今夜は明日に備えて旦那様をすっきりさせて差し上げなければな」
「おいおい、マジか?うるさいって苦情が来るぞ?」
結局襲われる様な形で始まり、返討ちにして終わった。
翌朝、朝食の席では、宿に居た人間のほとんどが目の下を黒く染め、俺達を羨ましげに睨んでいた。
白い視線に晒されながら朝食を済ませ、城に着いた。
「エルフの国の代表だ」
通門許可証を提示して城の中に入り、案内役の後ろに着いて会議場に辿り着いた。
「失礼します。私はエルフの国の王、タカヤ・ミナセと申します後ろの4人は妻です」
「エルマエルです」
「フィエリアと申しますぅ」
「アリエッタです」
「ティアラだ。エルフの国の女王をしている」
嫁達が全員フードを脱いで挨拶をした。
俺もそれに倣ってフードを脱ぐと、王国側は驚いたようだ。
それはそうだろう、エルフの国の代表は人族だったのだから。
「アディール王国の王、ベルネル・F・アディールだ」
席を立って右手を差し出してくる国王に、俺も右手を差し出した。
「それでは早速ですが、交渉を始めましょう」
「その前に一つよろしいだろうか?」
「どうぞ」
「貴殿はエルフではないように見受けられるが」
「その通り、私はティアラに見染められて王になった人族です」
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