他種族と交流しよう

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フンと鼻を鳴らして、国王が背もたれに寄りかかった。 俺も同じように背もたれに寄りかかると、アリーが気を利かせて肩を揉んでくれる。 肩を揉まれながら視線を国王に戻した。 「見返りは、エルフの国を自由に出入りして良い権利でどうでしょうか?」 「何?」 「ギルドが有るなら冒険者も必要になる。わが国には今までギルドなんて無かった。ならば冒険者の出入りを自由にすれば、冒険者がギルドに来るかもしれない」 そして中にはそのまま居付いてくれる冒険者も居るかもしれないし、そうなれば、それが男でも女でも、人は増える。 それに、冒険のノウハウはやはり冒険者に倣うのが一番だ。 「成程な」 アリーとエルマが交代して、肩もみが肩たたきに変わった。 「タカヤ殿、本音をお聞かせ願いたい」 「全て本音ですよ」 「言い方を変えよう、全部話して頂きたい」 「その慧眼、誠に恐れ入ります。やはり王になる人間は違うようだ」 「貴殿には言われたくないせりふだな。エルフの王よ」 俺は口の端を釣り上げて笑った。 「こちらの狙いは、人族の国への通行の許可です。エルマもう良い、これ以上やったら揉み返しで筋肉痛になる」 「あら、マッサージで体が鍛えられるなら、楽でいいじゃないの」 「楽なのは好きだけど、痛いのは嫌だよ」 すっかり凝りの解れた肩を回して、机に肘を着く。 「こちらがエルフ族の人族の国への入国を断る理由はないな」 「まぁそうでしょうね、出入りが自由で有れば、この国に住む男性エルフ達の正当な理由が出来る。自らこの国に赴いて居付いたのだとね」 「・・・」 国王がすっと目を細めた。 「もちろん、ここに居る男性エルフ達も、自由に出入りできる様にしていただけますよね?」 「貴殿は誠に食えぬ男だ」 「返せと言っている訳ではないのです、彼らの自由意思で行き来できる様にして欲しいと言っているだけですよ」 にっこりと笑ってやれば、国王はため息を付いて目を閉じた。 「攫われて来て、宛がわれた相手と愛し合っている者も居るだろうし、相手が不満で有ってもその子供に情が有る場合もあります。本当に酷い扱いを受けているのでなければ、この国から出て行くエルフは居ないと思いますが?」 「タカヤ殿の言う通りだな」 「それにもしかしたら、このレベルの女性エルフがこの国に居付く可能性もあります」
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