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そう言って立ち上がり、フィルの胸をしたから持ち上げる。
「あ、あらあらぁ・・・」
国王の回りに座っていた大臣や市長からおぉ・・・と言う声が上がった。
「エルフの国ではこのように胸の大きな女性の人気が低いので、相手を求めて人の国に来る事もあるかもしれません。まぁ、エルフの女性が産むのはエルフですがね」
「それにしては、貴殿は胸の大きな女性を囲っておられるようだが?」
「ベルネル殿、私はエルフ族の王では有るが人族です。価値観は人族のそれと相違ない」
「それにしてはティアラ殿の胸は、その・・・慎ましやかに見えるが」
「ははは、ティア、言われているぞ?」
「言われているのはお前だぞ、タカヤ」
「そうよ、タカヤは節操が無いって言われているのよ」
「ははは、違いないな、確かに俺は節操なしだ、お前らが嗾(けしか)けたとは言え、メイド10人切りしてしまったからな」
「正確にはぁ11人、でしたけどねぇ」
そう言えば、あの場にはシエルも居たんだったな・・・。
「実は私は胸部には特に拘りは無いのですよ。大きい方がいいか小さい方がいいかで問われれば大きい方が良い、その程度の認識でしてね、荘厳な霊峰の如き山脈に囲まれて存在する小さなしかし花の咲き乱れる奇麗な平原を見つけると、立ち寄りたくなるでしょう?」
「その例えはどうかと思うが、言わんとする事は解ったつもりだ」
「甘い物を食べると塩気の有る物も食べたくなる」
「しょっぱい胸で悪かったな」
「お前の胸も、十分に甘いさ、これはただの例えだ」
俺がそう言ってやるとティアは顔を赤くしてフンと横を向いた。
「帰ったら私の胸の素晴らしさをいやという程解らせてやるから、覚悟しておけよ」
「楽しみにしておくよ」
夫婦でいちゃいちゃしていると、国王からゴホンと咳が聞こえて来た。
「お見苦しい所をお見せしました」
「否何、中睦まじい様で羨ましい限りだ」
「話が逸れてしまいましたが、了承いただけますか?」
「うむ、許可する」
「そうですか、ありがとうございます」
「最後に一点だけ良いだろうか?」
「どうぞ」
「この町を散策した際に感じたエルフの気配は、どの辺りで感じたのだろうか?」
「西区の市街地の中心近辺、東区の高級住宅街の至る所から、南区の一番大きな家の近辺、北区と東区の境目付近」
「・・・」
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