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「俺の世界に有った道具で種別的には携帯電話・・・電気を使ったテレパスの魔道具みたいなもので、遠くの人と話ができる」
後はゲームかラインぐらいか。
ポコンと音が鳴って通知が表示された。
『エルシリア・クレイスの番号が登録されました』
「勝手に登録するな、誰だエルシリアって・・・」
エルシリア・クレイス:人間Lv16冒険者Lv3
LP:300
MP:80
A:50(+23破損)
D:48(+20)
S:74
MA:42
MD:30
LU:90
「何で私の名前を・・・」
「何か勝手にお前の番号が登録された。ステータスも書いてある」
試しにかけてみる事にした。
「あーあー、もしもーし」
「何これ!?頭の中に直接声が聞こえてくる!?」
どうやらかけると直接つながるようだ。
通話終了のボタンをタップしてスマホをズボンのポケットに放り込む。
「さて、夕食の支度だ」
猪の後ろ脚にその辺に生えていた蔦を巻きつけて、逆さ吊りにして残った血を抜く。
日本の平凡な高校生である俺にはきつい光景だが、こうしないと血生臭い肉を食う事になってしまう。
「ナイフとか包丁とか持って無いのか?毛皮を剥ぎたいんだが」
「そんな事できるの?解体初心者が?」
スマホで毛皮の剥ぎ方を検索して、その手順通りに猪の毛皮を剥いでいく。
「内臓がグロい、血が臭い、毛皮も臭い・・・」
何度も吐きそうになりながら猪を解体して、何とか食べられそうな部分の肉を削ぎ落した。
「ファイヤ」
槙は事前にエルシリアに拾って来て貰った。
火を石で囲み、その上にこれまたその辺で拾った、平たい石を載せて鉄板代わりにした。
後は石が熱くなったら肉を載せて焼いて食うだけだ
「何でこんなに都合よく、石だの蔦だのがあるのよ」
本来ならもっと苦労して探し出したり、最悪木の棒に差して食べるのだと言う。
「俺の運が良いからだろうな、感謝して食べろよ?」
その辺の木の棒を二本拾って、エルシリアのナイフで削って箸を作った。
この世界には多分箸は無いだろうから、エルシリアの分はただの木の串だ。
「猪の油って大丈夫なのか?」
肉が石にひっつかないように猪から取ったラードもどきを石に塗りたくり、肉を載せるとジュゥと言う良い音が響いた。エルシリアの方からもグゥと言う音が響いた。
「朝から何も食べてないのよ!」
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