おーさまになってエルフを導こう

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「国が有るなんて知らなかったからな・・・。里が完全に独立している物だと考えて、最終的には国レベルにまで発展させる予定で教育とか街づくりをしていた」 結果、建物は鉄筋コンクリート製が多くなり、農業区、工業区、産業区、居住区等の区画を分け、各区画の取り締まりを作り、重要な事の全ての最終報告は、長老と俺に行う事になっていた。 元の里を魔族が潰してくれたおかげで改革が捗った。 残った家は長老の家と俺の事務所だけだったし。 「それで、タカヤが統括していた区画の税収率はどんな物だ?」 「あのままあの領地で生産を続けていれば、他領の4倍程度かな?誰もやらない水産業だったし、海産物は無かったけど」 川の魚をとって売るだけの、簡単なお仕事です。 養殖にも成功して、一年中魚をとって食べる事が出来た。 親子や家族で魚の掴み取りや、釣り堀を作ったりしてそちらの方でも利益を上げていた。 冬場には釣り堀用プールを凍結させてスケートリンクを作ったりもした。 まぁ、たまにおバカが温泉用水路に魚を落として、煮えた魚が温泉に浮いたりしたけど。 「何か秘策があったのか?」 「娯楽だよ、あの里に居て思った事は、家が少ない事と、遊べるものが何もない事だ」 「ほう?」 「娯楽に飢えた人に娯楽を提供したら、そりゃ間違いなくヒットする」 温泉然り、釣り堀然り、スケートリンク然りである。 「農業だって収穫の体験参加とか、田植え体験とか、鉱石掘りだって同じ事が出来るだろ?鉱山内に歩道を設置して掘っている所を見せたり、実際に取れた鉱石を展示したりして観光施設も作れる。エルフは娯楽に飢えてるんだよ。面白そうなら飛びついてくる程度には」 ちょっと考えただけでこれだけの娯楽を思いつくのだから、じっくり考えればもっといろいろ出来るだろう。 「しかし、人気が無くなったらどうするのだ?」 「難しく考える必要はないだろ、鉱山も田植えも収穫も体験、もしくは見学だし、客が居なくなっても実益は残る。観光施設はただの副業だからな」 「成程な、それで税を金額提示ではなく収穫物の量にした訳か」 そう、そして副業で稼いだ金額については関与しない。 「その方が皆やる気出すだろ?」 そしてその結果、エルフ達が飽きて集客率が減れば、人間の国にも手を伸ばし始めるだろうと言うのが、俺の狙いでもある。 「良く考え付く物だ」
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