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俺の居た里だともっといやらしい視線で見られるだろうが、王都ではまだ、巨乳は流行していないのだ。
その侮蔑的な視線に晒されながら、彼女はブチブチと糞尿を垂れ流し、さめざめと泣いた。
そしてくせぇ!とかきたねぇ!とか言われながら、午前中に子供達が放った石をぶつけられていた。
男達が去った後、俺は糞尿を処理し、彼女の体を奇麗に拭いて回復魔法をかけ、無理やり水を飲ませ、飯を食わせて、涙を流す彼女に視線を向ける。
「暗殺なんてしなけりゃ、こんな事にはならなかったのにな」
「・・・」
恨みの籠った視線を受け止めて、にやりと笑う。
「俺を殺していたら、今お前が俺に向けている視線を、嫁達がお前に向けていただろうな」
そろそろ質問をしてみよう
「取引だ。俺の暗殺を依頼した奴は誰だ?」
まぁ、答えるとは思っていなかったが、彼女は顔をそむけただけだった。
「質問に答えれば、とりあえず服は着せてやる」
「・・・バルドだ」
答えやがった。
案外奇麗な声だった。
「そうか、ティアの妹さんか・・・」
バルド公爵家、ティアの妹のセフィが嫁いだ先らしい。
何だ、ただの野心か。
「約束だ、服を着せてくれ」
転移魔法でドレスを彼女に着せてやった。真っ白なドレスだ。
勿論縄の下に着せているので縛られているのは丸見えだ。
「それじゃ次の質問だ、これに答えたら縄を外してやる」
女はコクリと頷いた。
「お前に暗殺を依頼した奴は、公爵本人か?それとも、セフィか?」
「そ、それは・・・」
「今日を含めて3日間は身の安全を保障してやる。と言うか、殺せと言われても殺さないし、自殺すらもさせないと言うだけだが。3日後には解放してやるから、後は自分で何とかしろ」
刑が軽いと思われるかもしれないが、これが嫁達がこいつを許す条件だった。
罰を受けている間は殺さない。だが、それが終わった後は知らない。
「公爵様、ご本人だ・・・」
「そうか」
彼女を縛って居た縄を解き、磔にしている杭ごと持ち上げて城に入った。
「何をするつもりだ!?」
「明日の朝一番でまた晒すから、夜はここで寝ておけ」
磔にされたままの女を廊下に転がし、メイドの一人を呼び止めて世話を申しつける。
「本当に甘いな、タカヤは」
「良いんだよ、失敗するって解っている暗殺にいちいち目くじら立てるの、面倒くさいし」
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