おーさまになってエルフを導こう

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「失礼いたしました、これはお仕置きが必要ですよね?」 パチンと指を鳴らして彼女に服を着せる。 「風呂以外の時間にその服を脱いだら、罰則があるからな」 「それは、どのような?」 「俺が自らお前を愛でる。変態的行為も諭すように優しく注意するし、服を脱げば優しくその姿を褒めた後更に優しく服を着せる。なに、心配するな。俺は巨乳も好きだ。」 彼女の顔がさっと青くなった。 「か、かしこまりました」 それから数時間後、彼女は裸でやってきた。こいつはただの馬鹿なのだろうか? 「お、お風呂場に虫が・・・」 「そうか、怖かっただろ?良く知らせに来てくれたな」 いまだにびしょびしょな体を優しく拭い、服を着せて、優しく頭を撫でる。 罰則は始まっているのだった。 「な!?」 「寒くはないか?今温かい飲み物をいれてやるからな。そこのソファに座って待っていてくれ」 魔法で水を一瞬で沸騰させ、ココアを入れて彼女の前に置いてやる。 「虫に驚いて裸で駆け込んでくるなんて、可愛い所もあるじゃないか」 頭を撫でようと手を伸ばすと、彼女はすっと身を引いた。 「お、おやめ下さい」 「おっと、ごめんな、女性の髪に無闇に触れて良い物じゃなかった」 慌てて手を引っ込める俺を見て、彼女はぎょっと目をむいた。 「いつもの様に罵って下さい・・・」 いつも罵っているような言い方は止めて欲しい。と言うか、罵った事なんか無い。 「ははは、罵る訳ないだろ、いつも一生懸命に働いてくれているじゃないか、感謝こそすれ、罵るなんてとんでもない事だ」 その言葉に彼女は、ガクガクと震えだした。 「寒くなって来てしまったか?暖炉に火を入れよう、部屋が暖まるまでこれを羽織っていると良い」 上着を脱いで彼女の肩にかけてやると、彼女はビクリと肩をはねさせた。 「む?臭かったか?一応臭いには気を使っている積りなのだが・・・」 気付いていても気が付かないふりをするのは結構大変である。 彼女は顔を真っ赤にして俯いた。 「顔が赤いな、風邪を引いたのか?ここから風呂場は、結構な距離があるからな、どれ?」 彼女の額に自分の額を当てて、目を閉じてしばらく熱を測る。 目を開けて彼女を見ると、先ほどよりも顔を赤くして、口をパクパクさせていた。 「熱は無いな、だが具合が悪そうだ、少し休んでいくと良いだろう」
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