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「やばい、やばいぞトマトジュース塩ラーメン! グルメ漫画なら確実に昇天してんだろコレ! 賞味期限切れてるけど!」
感激に任せて園美は叫んだ。
「キャベツ甘い! 芯なのに柔らかい! スープをたっぷり吸ったドライソーセージもちょい柔らかくなってて噛むと旨味が爆発する! 肉だ! 私は肉を食っている!!」
鼻に抜けるバジルとオレガノの風味が、爽やかだった。
「スパイスすげーな! クドくなりそうな味をさっぱりしたもんに変化させてる! いくらでも食えるぞコレ! 賞味期限切れてるけど!」
熱々のスープはなかなか冷めなかった。このクソ寒い部屋ではありがたい。
「いつもならスープは残して次の日に米入れるけど、コレは全部飲める! 塩分摂取に対する罪悪感がねーな! トマトパワー恐るべし! 賞味期限切れてるけど!」
麺も具材も腹におさめ、スープを一気飲みしようとした手が止まる。
台所に行き、残りのスープを鍋に戻し、温め直した。レンジで解凍した冷凍ごはんとおつまみチーズを投下して、フタをする。
数分後――そこには新たなパラダイスが広がっていた。
「トマトリゾットぉおおお!!」
トマトの赤とチーズの白のコントラストが、なんと見事な。
箸をスプーンに替え、とろりと溶けるチーズがかかった米を掬い、口に入れる。
予想どおり、……旨い!!
「まずいわけねーよな鉄板の組み合わせじゃん! 神の食べ物かチクショウ!!」
神のリゾットを思う存分かきこんだ。旨い、最高とくりかえしながら。
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