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最終話
あれから数日後。
私はようやくベッドから起き上がれるくらいにまで回復したので、ククリの手を借りながら椅子に座るとククリと向き合った。
「……おかえりなさい、ククリ」
「はい、ただいま……カサンドラ」
そう言うと私たちは口付けた。
「そういえばディールの反乱?はどうなったのかしら」
「あぁ、俺がちょーっと言っただけで収まりましたよ。お嬢と俺は恋仲にあるから問題は無い、だからこの問題には関わるな、っていう具合にね」
こ、コイツは平然と何を言っているの!?
私が真っ赤になっているとククリはフッと笑い、
「だって、俺はお嬢のことを愛していてお嬢は俺のことを愛してくれているでしょう?だから問題はありませんよね?」
少し離れていた間に何があったんだ!何故彼はここまで言えるようになっているのだ!?
「ず、随分と強気ね……私がもし貴女を愛していなかったらどうするのよ!?」
「それはないでしょう。だって、俺のためにわざわざディールに向かってくださったのでしょう?」
そう言うと彼は意地悪く笑い、私の頭を撫でた。
「……仮に俺の片想いでもいいんです。貴女がそばにいてくれるなら、それでいいんです」
と、今度は切なげに笑って目を逸らした。
「……別に、ククリのことが嫌いだとは言っていないでしょ。もしもの話よ。だって、私はククリのことを愛しているもの。愛しすぎて体調を崩すくらいなのよ?」
そう言うと「知ってます」と言って私を抱きしめ、キスをひとつ落とした。
「あ、貴方……確信犯ね!?覚えてなさい、いつか報復して貴方を後悔させてあげるわ!」
「さぁ、後悔するのはどちらでしょうね?」
以前とは違う少し強気な彼と、そんな彼に翻弄される私は、結婚式後にようやく両国が認めた夫婦になった。
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