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第1話
チュンチュン、と鳥が鳴き始める頃。
ふと目が覚めた私は起き上がった。そして伸びをしていると、ドアがコンコンと控えめにノックされ、ゆっくりと開かれた。
「おはようございます、お嬢…じゃなくて、カサンドラ。今日は珍しく自分で起きれたんですね」
「今日は、って失礼ね!何なのよ!」
「だっていつも俺が何分もかけてようやく起きるじゃないですか」
「そ、それはそれよ!私だって最近は自分だけでも起きれるじゃない!」
などと押し問答を繰り返し、ようやくしっかり目が覚めてきたのでベッドから降りた。
ここまで聞いて分かるように、私は淑女らしくなってきたのだ。
私は王女だし、さらに第一王子と結婚したので、国賓レベルの方と交流する場が増えることになる。
そのため、淑女らしく振る舞えるようにならないといけないので毎週6日半ほどは淑女になるためのレッスンをしているのだ。ほとんど休みはないブラックだ。
「所作はまだまだ淑女とはかけ離れてますけどね」
「うるさいわね!今練習中なのよ!」
と地団駄を踏み、「そういうところですよ」とため息を吐かれた。失礼なヤツめ。
「そういえば」
と言ってククリはふと真面目な顔をした。
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