第1章

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「サッサとくたばれ!」 バキ! 「その言葉そっくり返してやるわ!」 ボコ! あーー何時もの事ながら2人がまた喧嘩を始めた。 だいたい敵対する者同士が同居しているのがおかしいんだよな。 そろそろ止めに入るか。 「止めろ! 止めろ!」 「「うるさい! 日和見のお前は黙っていろ!」」 「でも、そろそろ喧嘩を止めないと、宿主の身体がおかしくなるぞ」 「本望よ!」 「ふざけた事を言うんじゃねえ!」 「そうだね、僕も宿主が死ぬと困るから、今日は善玉につくよ」 僕は善玉側について悪玉を攻撃する。 「糞! 覚えていろ」 2対1になって分が悪くなった悪玉が捨て台詞を吐いて、離れていく。 ハーー困ったもんだよ。 三途の川を何故か渡れなくなった所為で、霊が現世に戻って来て生者を住処にしているのだけど、霊の数が生者の数を上回っているから、1人の生者の背後霊として善玉霊、悪玉霊、日和見霊が同居しているんだよね。
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