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「でも、サチはイチゴ……卒業出来るのは春なんだよね。皆と一緒に卒業したかったなぁ」
隣にいるトマトのミィは残念そうに言う。
「仕方がないよ。結局はバラバラなんだから」
そんなミィに対して、俺は諦めたかのように呟いた。
まだ、小さな実がついただけで互いがどう成長するか分からない俺らの、奇妙な同居生活。
「ナス、それは違うよ。確かに卒業する季節は違っても、皆同じ仲間なんだから。私達は……またどこかで会えるかも知れないし」
「そうだよ。……俺達は、サラダやカレー……それからイチゴはケーキって形で同じ食卓に上がれる可能性がある。今はそれを、信じて待とうぜ」
イチゴのサチは少し膨れて、ジャガイモのメークはクールにそう言う。
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