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中学、高校時代には悟は新聞配達をして家計を助けてきた。奨学金制度を利用し地元の大学を卒業後、運良く役場に就職することができた。
役場に勤めてから、悟は勤務終了の五時になるとすぐに帰宅し、飲み会は断った。新人がこんな態度をとろうものなら厳しい批判を受けるところだが、周りの者たちは悟の家庭事情をよく知っており誰も文句などいう者はいなかった。
村では過疎化が進み、老人世代が六割を超えていた。村を捨てず祖母の面倒をしっかりみる悟はむしろ尊敬の対象になっていたのだ。
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