君の手を掴みたい。

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君の手を掴みたい。

夏休みの間に俺の今後が決まった。 両親の離婚も俺の中学卒業までなくなり、 3月までこのまま両親と一緒に住む事となった。 気不味く、上辺だけの家族ごっこ。 『愛情が欲しい』なんて小さい子じゃないんだから言わない。 でも 父さんも、母さんも新しいパートナーの事で頭に花が咲いているのは確かだ。 せめて 一人息子に愛情を注ぐフリをして欲しいもんだ。 春休みにコウの家の近くにアパートを借りて一人暮らしを始める予定だ。 学区外になるからコウと同じ学校は受験出来そうもなく私立に通うことになる。 こんな状態の俺が 未だ冷静にウチのコトを見れるのは ライブのおかげだ。 コウに連れて行ってもらったライブ。 あの衝撃は忘れられない。 俺も高校に入ったら軽音部に入りたくて ギターを始めた。 親には受験生なのにと呆れられたが 関係ない。 俺のココロはあの日の 『b-moon』に持っていかれた。 ミキに逢いたい。 あれから夏休みの間、何度も studio HAYATO のライブに通った。 でも 『b-moon』のステージは見れていない。 俺は ミキに逢いたい。 ミキと並びたい。 ミキを知りたい。 ミキの隣りはイクの指定席。 わかっていても ミキに触れたい。 ミキ 君の手を掴みたい。 ~fin~ 『君色』へ……
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