君の手を掴みたい

離婚らしい。

俺、ノブ。

中学３年の受験生。

中１から所属していた陸上部を７月で早々と引退し、受験体制に入る？はずだった。

夏休み初日、
両親に呼ばれリビングに行く。

成績が下がっているのがバレたのかと
ちょっとビクビクしていた。

「父さんと母さん離婚するから。

お前どうする？

やっぱり母さんがいいよな？」

「あなた何、勝手な事言ってるの？

やっぱり男の子なんだから男同士のほうがいいわよね？」

何だかなあ。

俺っていらないんだなと思った瞬間だった。

「２人とも俺が邪魔なんだね？」

「「えっ？」」

「隠さなくてもいいよ。

２人とも浮気して離婚なんて、
あまりにもチープで笑いも起きない。

ちょっと待ってて。」

俺はスマホでいつも通学の時に通る
弁護士事務所に電話した。

土曜だからダメかと思ったが当番の先生がいて対応してくれると言われ
午後から面会の予約をしてくれた。

「今はどうするか言わない。

午後から俺と一緒に行ってもらう所があるから。３０分後にウチ出るからな。」

「「えっ、どこ行くの？」」

「行けば分かる。変な格好するなよ？」

全く自分の親だけど呆れる。

自分がどうしたいか考えながら支度した。