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八島圭吾は慌てて、吟味与力の臼井健四郎に事の次第を報告。臼井健四郎は聞いたそのままを、町奉行の大岡越前に言上した。
「関わりを持つ事を恐れたか。その様な町方など、使い物に為らぬわ」
大岡越前の話を聞いた御用取次の加納久道が、嘆息した。(もしもこんな話が、あの吉宗さまのお耳に届いたら)、そう思うだけで恐ろしい。
「上様がお怒りに為る前に、町火消しの設立を急がねばのぉ。定火消しの動きは御庭番に探らせるとしよう。上様にお話申し上げるのは、御庭番の報告を受けてからじゃ」
密談の成果か!
享保五年の町火消し『いろは四十七組』の設立に向けて、南町奉行・大岡越前の指揮で具体的な調整に入ったのであった。
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