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誰かたす――――
「え?」
動けない私の手を、誰かが触れた。
それから、私の身体を誰かが起こそうとする。
「なちひな?」
目の前には、拉致されたはずのなちひなが居た。
それも、7、8人――いや、10人以上のなちひなが。
「貴女がリョウコちゃんね。話は聞いてるよ」
「?」
突然のことに頭が追いつかない。
彼女たちの一人が、私に話し掛けてきた。
「もう大丈夫だよ。貴女もなちひなも……ね」
次の日の朝。
なちひなは何事もなかったように登校してきた。
「リョウコちゃん、ハロハロ~♪」
彼女はいつものように朗らかに挨拶をしてきた。見た目に変化はない。
「リョウコちゃん? そんな顔してどうしたの?」
「本当に何もされてないの?」
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