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夜の体育館。
檀上からスキンヘッドの男子高生が口を開く。
「これは聖戦だ」
スキンヘッドの彼は上半身裸で膝をついた状態のまま、後ろ手に縄で縛られている。青褪めた顔で唇を震わせながら、スマホのカメラに向かって更に言葉を続ける。
「若い女性が自由に暮らすのは、この国では無理だと悟った」
彼の両脇には同じ姿勢で縛られたスキンヘッドの男子高生たちが十数名ほど居て、全員の後頭部に拳銃がつきつけられていた。
男たちに銃口を向けるのは、兎のお面で顔を覆い、セーラー服の上から軍用のジャケットを羽織り、アサルトライフルを背負って武装している女子高生たちだ。
「よって、私たちは自分らしく生きるために独立を宣言する!」
仮面の女子高生たちは、声を合わせて一斉に叫んだ。躊躇いなく引き金を引きながら。
「JKのJKによるJKのための国を作るんだ!!」
体育館内に銃声が響き渡る。頭を撃ち抜かれた男子高生の肉片と脳漿と血飛沫が、スマホの画面を通して全国――世界中にライブ配信された。
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