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「なあ、ブスメガネ。整形すれば?」
「あっ、それいいかも!」
「お前だって嫌だろ? ブスのまま一生終えるの」
「でもさー、これだけアレだと整形するのに超金かかるよ?」
「じゃ、身体売れば?」
「コイツに客つくわけないじゃん」
「違ぇよ。臓器売るんだって。肝臓とか」
「アハッ、名案じゃん」
「マジ卍~」
「臓器売って整形♪ 臓器売って整形♪」
「臓器売って整形♪ 臓器売って整形♪」
「臓器売って整形♪ 臓器売って整形♪」
「臓器売って整形♪ 臓器売って整形♪」
「臓器売って整形♪ 臓器売って整形♪」
俯いて唇を噛み締めて全身を震わせるしか出来ない私に見かねたのか、予鈴のチャイムが彼らの言葉を遮った。
「ツマンネ」
「ブスで笑い取れないって生きてる価値ないだろ」
「死ねよ、ブスメガネ」
唾より汚い言葉を吐きかけられて、私は顔を上げることも出来ずに自分の席に戻った。
ネットで不特定多数の匿名に叩かれるのと、同じクラスの顔見知りの人間たちに罵られるのはどちらの方がより心にクるか。そんな意味のないことを考えて現実から逃れようとしたら、HRの始まりを告げるチャイムが私を捕まえて教室に引き戻した。
「転校生を紹介します。自己紹介して?」
「はい。わたしの名前は――」
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